インド中銀の元副総裁、インド経済の「失われた10年化」に警笛

[ニュースの要点]
・インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)の元副総裁で経済学者のViral Acharya氏は、インド経済が1990年に日本が陥った「失われた10年化」してしまう危険性があると警笛を鳴らした。
・新型コロナウィルスの影響で、2021年3月には、不良債権比率は12-15%まで増加すると予測されており、もしこの数字まで到達してしまうと、主要経済国の中でも最悪の水準になってしまう。
・このまま資金調達が行われず、不良債権が増え続けてしまうと、金融機関の動きが鈍く、そして力が弱くなり、日本が経験した失われた10年と同じようなことがインドにも起こるのではと同氏は言及している。
・インドの民間銀行は、資金調達に躍起になっている一方で、国営金融機関は後手に回っている。
・過去3年間で政府は国営銀行に347億USDの資金を注入しているが、今年は資金注入のための予算はないという。
・同氏は、財政立て直しのために大口の投資引き上げ等を実施し、収益支出を削減し、医療やインフラへの支出を増やすべきだと言及した。

[管理人コメント]
かれこれ10年以上前からインドは都市部を中心に人々の生活の変化が起き、不動産バブルも続いていた。インターネットの普及やソフトウェア産業の発展、富裕層の増加等が起こり、2020年7月現在でも多くのビルや高層マンション・コンドミニアムが工事中で、一般的なマンションでさえ毎年10%程家賃が上がる状況である。

しかし、2019年末くらいから、住宅建設の遅延や工事停止の事例が増え始め、融資を行っていたノンバンクが不良債権を抱えるということが起こり始め、バブルの収縮かと報道され始めた。そこに、新型コロナウィルスの影響が襲ってきてしまい、ロックダウンの実施、多くの業界で売上減少、解雇、出稼ぎ労働者(建設作業員も多い)の地方へのリターンなどが起こってしまい、不良債権が増えてしまっている。不動産だけでなく、2019年には輸出の停滞や個人消費の落ち込み(背景にあるのは、ノンバンクの貸し渋り)が指摘されていたインド。

しばらくウィルスの影響による停滞が続くと予想できるが、インドの得意分野をこの機に伸ばし、成長の芽が育ち続けることを期待したい。

※インドの情報や当サイト(管理人宛)のインド関連での各種お問い合わせは、こちらからどうぞ!

[記事参考元] The Ecomonic Times
https://economictimes.indiatimes.com/industry/banking/finance/banking/india-risks-japanification-as-bad-loans-surge-says-viral-acharya/articleshow/77238015.cms

関連記事

ページ上部へ戻る