【コラム】インド国内ITエンジニア(新卒)の実情は?

インドはIT大国である。ソフトウェアエンジニアが多い。そしてみんな英語が話せて数学が強い、なんてったってゼロの概念を生み出した国なのだ、そしてインドには世界でもトップクラスの工科大学があり、エンジニアは新卒でも年収1000万円を超えるらしい etc.

 というのが多くの人が抱いているIT国家としてのインドに対する印象ではないかと思う。そしてこれは部分的に間違いではないが正解といえるわけでもないのが現実ということを伝えたいと常日頃から感じています。

 確かにインドには多くのエンジニアがいます。毎年150万人の理系大学生が学校を卒業し、多くの学生がエンジニア職に就きます。IIT(インド工科大学)の出身者とお話をする機会や、一緒に仕事をさせていただく機会もありますが、みなさん確かに思考は切れる方が多く、優秀と感じることが多いです。GoogleのCEOのSundar氏や、MicrosoftのCEOのSatya氏などをはじめ、グローバルに活躍するインド人も多いです。

 しかし、物事を木を見て森を見ず的な視点で考えてしまうのは危険です。上記に挙げたのはほんの一部の「超」優秀なインド人であり、トップ1%にも入るかどうか、というレベルだと思っています。事実、毎年150万人の理系学生が、4年間コンピュータサイエンスなどを専攻して大学を卒業しても、そのうちITエンジニアとして職に就くことができるのはわずか25万人ほど。6人に1人しかエンジニアにはなれません。

インドには工科大学がたくさんあります。IITなどのトップ大学から、日本でいうところのFラン大学まで幅広くあります。そして、もちろん企業は優秀な学生を採用するべく、トップクラスの大学に採用活動に出かけます。その結果、150万人中たった25万人しかエンジニアにはなれず、且つ新卒初任給で80万ルピー(約150万円)をもらうことができるのは25万人の中の上位4万人だけ。150万人のうち、たったの3%の学生です。

 エンジニア職に就けなかった学生はどうするのか?それは人それぞれですが、フードデリバリーの配達員や、WIFIルーターの設置の作業員、営業職などなど、非エンジニア職についています。それでもインドは就職難なので、就職が決まらず卒業する学生もかなり多いです。地方ではトップレベルの大学(=日本でいう地方国公立大学)を卒業していても、エンジニア職に就けないという現実があります。原因の一つに、スキル不足。というのはありますが、全員が全員スキル不足で就職できないわけではありません。コードもある程度書け、知識もあるのに、競争率が高すぎて就職できないというケースも多いです。

 日本の人材不足、特にIT人材の不足が起こることは明白であり、この二か国間のギャップをどうにか埋めることで、双方の課題解決につ繋がるのではないかとも思いますが、日本側の外国人受け入れ態勢の未整備や、英語へのハードル、インドに対するイメージが湧かない等々、課題は多くあります。まず一度オンライン経由でもインドIT人材と関わってみる=一歩でも行動を起こしてみることで、分かることもいっぱいあると思っています。

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